最近は暖かくなってきて、春の気配も感じられる頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
こちらはつかの間の休息期間、息を抜いてます。
さて、2015年の2月末に完全リニューアルし、新規に発売されたTOMIXの12系。なかなか優秀との噂を聞いており、昨日ようやく入手。
な訳で前から居たKATOのものに加え、両者の12系が揃いましたので、コキ104に続いて徹底比較第2弾、したいと思います !
なお今回比較するのは12系客車のうち、照明などのサービス電源用発電セットを搭載しており、車掌室付きで編成端に来るスハフ12と中間車のオハ12です。他に車掌室付き・発電セットなしで編成端に来るオハフ13もありますが、TOMIX製品はセット限定品となっており、単品設定がないのでここでは比較の対象外とします。ご了承ください。まあ実車のオハフ13も発電機を搭載していなかったことから中途半端な存在になり、早期に廃車が進んでしまいましたが。
まず、包装形態。TOMIXはクリアケース発砲中敷、KATOはクリアケースプラ中敷です。写真は割愛します。
カプラーは両者ともにアーノルドカプラーを標準装備しています(当方のKATO製品はKATOカプラーに交換しています)。オプションのカプラー(TOMIXはTN、KATOはKATOカプラー)にそれぞれ対応しています。
続いて付属品。
TOMIXはスハフ12にのみ、インレタとジャンパ栓パーツ、ダミーカプラー、取扱説明書が付属します。オハ12のほうには付属品がなく、インレタもスハフ12付属のものを使用する旨が説明書に書いてあったので、オハとスハフとでセットにして編成を組むことを前提にした付属品構成となっているようです。
KATO製品はスハフ・オハともに車番も印刷済みで付属品はありません。
以下に車番の一覧を示します。
車番一覧
KATO
スハフ(印刷済み)
⚫︎スハフ12 151
オハ(印刷済み)
⚫︎オハ12 196
TOMIX
スハフ(インレタ、以下の車番からユーザー選択)
⚫︎スハフ12 101 ⚫︎スハフ12 104 ⚫︎スハフ12 110 ⚫︎スハフ12 112 ⚫︎スハフ12 114 ⚫︎スハフ12 126 ⚫︎スハフ12 138 ⚫︎スハフ12 139
オハ(インレタ、以下の車番からユーザー選択)
⚫︎オハ12 325 ⚫︎オハ12 327 ⚫︎オハ12 328 ⚫︎オハ12 342 ⚫︎オハ12 344 ⚫︎オハ12 353 ⚫︎オハ12 354 ⚫︎オハ12 356 ⚫︎オハ12 358 ⚫︎オハ12 360 ⚫︎オハ12 362 ⚫︎オハ12 373
そのほか、JRマーク4つがついており、再現したい、またはお好みの年代に応じて追加で転写できるほか、予備車番も付属しており、間違えたときのやり直しができます。また予備車番を使ってユーザーの好きな車番を設定することもできます。
次はプロトタイプについてです。
スハフ12は両者ともに、新製車のうち、発電性能と難燃性をアップさせた100番台と呼ばれるグループがモデルになっています。オハ12はTOMIXに限り、パッケージにオハ12 313以降の後半のグループをプロトタイプとしている旨が書いてあります。
このスハフ12形100番台とオハ12 313以降の車両はともに1977年から製造された後期型(量産グループⅢ)に区分されます。KATOのオハは、車番だけ見て判断すると1970年に製造された量産グループⅠの車両がプロトタイプと言うことになります。ちなみにHゴムの表現がグレーであることやJRマークが無いことから、両者とも国鉄時代の12系を再現しています。(TOMIXに至っては商品名に「国鉄客車」とある)
余談ですが、以前にもTOMIXは12系客車を単品発売していました。そのときはスハフ12のプロトタイプが0番台となっていたほか、オハフ13の単品設定もありました。
お待たせしました。では、本体の比較に入って行きましょう!
まずはスハフ12を比較して行きます。始めはサイドビューから。
どうでしょうか。発電セットを積んだ床下のごちゃごちゃ感がたまりませんねぇ。塗装や側面は両者大差がないですが、やはり換算重量や所属表記といった表記類の細かさはKATOに軍配。
細かいところでは……
車体側面、発電用ディーゼルエンジンの冷却風吸気口の形状・サイズ違いや発電セットの色、客用ドアの支持方式(KATOは金属押さえ、TOMIXはグレーHゴムをそれぞれ再現)などに違いが見られます。
側面から見た床下はTOMIXの方が手ブレーキ(?)と思しきハンドルの再現もあって精巧なイメージを受けます。また、写真の台車左隣にある車軸発電機も、KATOは床下に表現していますが、TOMIXは台車に表現しており、違いが見られます。
続いて屋根上。
上がTOMIX、下がKATOです。屋根上に関してはTOMIXはクーラーのモールドの細かさやリベット表現、ベンチレーターが別パーツ、さらに発電エンジン排気口の表現、トイレ側屋根上点検蓋のリベット表現など、細かいところまで表現されており非常に優秀ですね。KATOも点検蓋に3本筋が入っているところが再現されていますが、ベンチレーターが一体成形になっているなど少し見劣りを感じます。
続いては顔と、客車には欠かせないテールライト。
テールライトも点灯状態で撮影。左がKATO、右がTOMIXです。実車のスハフ12系100番台は中央貫通扉の窓にHゴムがないことが特徴ですが、KATOは中央窓にもHゴムを再現してしまっています(-。-;
TOMIXはHゴム表現が全体的に細めに表現されており、テールライト周辺の造形も実車により近く、裾絞りの角度もKATOと比べるときつめで、シャープな印象を受けます。
さらに、テールライトにはKATOが白熱電球を、TOMIXが赤色チップLEDをそれぞれ光源としており、TOMIXのほうが低電圧でも明るく点灯します。なお、TOMIX製品にはテールライト消灯スイッチが装備されています。
比較を進めます。床下面です。
お次は台車です。
台車のモールドに関しては両者ともに甲乙付け難い出来です。TOMIXの台車は集電板が露出しており、外から見える位置にある点が少々残念です。
スハフ12の比較の最後は室内をご覧ください。
車体と床下パーツをセットにして置いています。写真上半分がTOMIX、下半分がKATOです。
何と言ってもライトユニットの処理の違いがはっきりとしていますね。KATOは大きなライトユニットがどかんと車内に鎮座しており、車掌室はおろか客席の一部までもを潰してしまっていますが、TOMIXは光源が小型化され、構造に余裕ができたこともあって、ライトユニットの上に車掌室が作り込まれています。ほか、成型色の違いや肘掛表現の有無、トイレ・洗面所の仕切りの表現の有無など、多くの点で違いがあります。流石に某M社のような、洗面台や便器の表現は両者ともありませんでした(笑
さて、次はオハ12です。
サイドビューから。
発電セットがない分、床下はすっきりしています。中間車であるため、シンプルな車体です。
こちらも発電セットや顔のことを除けば、基本的にスハフ12と変わりません。
床下
室内
車掌室やライトユニット以外はスハフ12と同じです。室内灯用の集電板(集電スプリング)差し込み口が座席を潰しているのか、車端部を潰しているのか、といった細かな違いはあります。
台車や屋根上に関してはスハフとほぼ共通なので割愛します。
比較は以上です。
結論はと言うと。
個人的にはTOMIXのほうが出来が良いと思います。KATOも要点は掴んでいるのですが、何せ旧製品同然でリニューアルされていないため、古い機構が数多く残ってしまった結果が新規金型まで作って完全リニューアルしたTOMIXに大きく差をつけられてしまったのではないか、と推測しています。とは言え、KATOも表記の細かさなどTOMIXには負けない持ち味もありますし、劣ることばかりではないと思います。
12系のNゲージ模型では他に高崎車両センター所属の12系やばんえつ物語用12系がTOMIXとKATOの競作となっているほか、20系と12系の併結で知られた急行ちくまがKATOからリリースされており、さらにはやまぐち号用の12系がTOMIXとマイクロエースとの競作となっているので、そちらもおすすめです。
ご購入を考えている方の参考になれば幸いです。
今回比較した商品
TOMIX 9502 国鉄客車 スハフ12(100)形 税抜希望小売価格 ¥2400
製品情報詳細(TOMIX公式サイト) http://www.tomytec.co.jp/tomix/products/n/9502.htm
TOMIX 9503 国鉄客車 オハ12形 税抜希望小売価格 ¥1600
製品情報詳細(TOMIX公式サイト) http://www.tomytec.co.jp/tomix/products/n/9503.htm
KATO 5016 スハフ12 税抜希望小売価格 ¥1400
KATO 5015 オハ12 税抜希望小売価格¥1200
製品情報詳細(KATO公式HP・オハとスハフ共通のページです) http://www.katomodels.com/n/12kei/
>>ご注意<<
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